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日本泳法 ポップアップ
---水との対話---
【#49】畳の上の水練
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日本泳法ポップアップの仕掛け人、小里文生(こざとふみお)です。
いよいよ出ました。いつも編集後記に書いている畳の上の水練です。
昔から無駄な事の例えに使われたりしていました。あなたは畳の上の水練を信じますか?
次の言葉を座右の銘として発信します。
■ 体験してはじめて身につくんだなあ(相田みつを)■
◇ ◇ ◇
最近野球のイチロー選手が次のような話をしていたという事を聞きました。
高校生活の3年間、1日にたった10分ですが、寝る前に必ず素振りをしました。
その10分の素振りを1年365日、3年間続けました。
これが誰よりもやった練習であった。
これを聞いて、私も若い時に同じような経験をしたことを思い出しました。
皆さんは原正一と言う先生をご存知でしょうか?
神伝流と太田派の名手です。
例えば昭和6年の明治神宮体育大会の資料に「神伝流三段伸」「太田派平伸」でエントリーされています。
よく陥る間違いですが、資料に載っているだけで実際泳いだかどうかは分かりません。
私は昭和37年の日本泳法大会で先代加藤石雄から原正一先生を紹介されました。
当時、泳法競技審判員をされていたのですが、先代からは日本一のオヨギ手だと紹介されました。
原正一先生は毎日畳の上で扇足の練習をされているとのことで、その方法について教えを受けました。
畳の目地に沿って横になり、扇足の練習をします。
人間の身体はよく出来たもので、肘をつくと上体のそり(船底)が出来ます。
煽り終わった足先が肩の高さと同じ位置に行くようにします。
これを毎日やっておられるという事でした。
私にも出来るでしょうか?
と聞くと、
若いからすぐに出来るようになりますよ。
と言われました。
そこで毎日寝る前の5分間この練習を続けました。
約2年間一番練習をしたのがこの頃でした。
原正一先生独創の横泳ぎの手足の総合体操と言うものがあります。
これも、横泳ぎの動作を左右練習するには最適なもので、四肢が全て動くというところがミソです。
私達のカエル足平泳ぎでも手足の総合運動をする体操があります。
これは顔を水上に上げるために手が先行する動作を知るために必要だと思っています。
更に抜臂の練習をするための抜臂体操があります。
これを繰り返す事で抜臂の手足のタイミングを覚える事が出来ます。
抜臂を初めて習う人には必ず毎日5分練習をするように言います。
抜臂の前段階として差手游がありますが、陸上の練習によって効果がより大きく上がります。
昭和39年に東京に住んだとき一番に連絡を取ったのが原正一先生でした。
しかし、亡くなったとの返事が来ました。
後年排気ガスの鉛公害で有名になった牛込柳町の「生沼」という下宿屋(当時はそのように呼んでいました)に確認に行き、下宿屋のご主人とお話をさせて頂きました。
先代加藤石雄はカエル足の練習も空中に足を蹴りだす練習が出来ないか?
と言っていましたが、残念ながら未だにそれは出来ていません。
しかし、立ち泳ぎの足は机の角に腰掛けて出来るように工夫しました。
机に腰を掛けるとは我々日本人には許せない習慣なので、他人には勧めたことがありませんが。
何かに打ち込める時があるのは良いものですね。
○○○ 今日の一言 ○○○
「物事を成すには、時期を見誤るな」坂本龍馬